特に夏服で使われることが多いレーヨン。シルクのような光沢があり、落ち感やとろみのある素材感が大人っぽく上品な素材です。
しかし、レーヨンといえば自宅で洗濯することが難しかったり、シワになりやすいなどのデメリットも。なかなか自宅でのお手入れが難しく、避けてしまう方も多いのではないでしょうか。
ここではレーヨン素材の特徴と、自分でもお手入れがしやすいアイテムの選び方や工夫、レーヨンを使ったおすすめのアイテムをご紹介いたします。
目次
レーヨンとは
レーヨンは、人工的に作られる「化学繊維」のひとつで、中でも「再生繊維」に分類されます。
人工的に作られますが原料は天然の素材であり、レーヨンは紙と同じ木材パルプが原料です。木材パルプに化学処理を加えて溶解し、再生されて作られます。
石油から作られるポリエステルなどと違って天然素材から作られるため、土に埋めると微生物により分解され土に還ることができます。そのため、環境に優しい素材としても注目されています。
ここからは、レーヨン素材のもつ特徴について詳しく見ていきましょう。
レーヨンのメリット
吸水性・吸湿性が非常に高い
レーヨンは吸湿性と吸水性が極めて高い素材です。そのため、汗をかきやすい夏でもサラッと快適に着ることができます。
シルクのような光沢感と手触り
レーヨンは元々絹(シルク)に似せて作られた素材です。そのため、つるっとした光沢があり、高級感が感じられます。
またとろみのある生地感で肌触りも柔らかく、肌に触れる肌着や裏地に使われることもあります。
涼しく着られる
レーヨンは触れるとひんやりと感じるため、暑い季節でも涼しく着ることができます。そのため、「接触冷感」と謳われている洋服や寝具などにはレーヨンが使われていることも。
その秘密はレーヨンの「熱伝導率」の高さにあります。触ったときに自分の熱が逃げることで冷たく感じるのです。
レーヨンのデメリット
水を含むと縮んでしまう
レーヨンを間違って洗濯してしまい、大きく縮んでしまったという経験のある方も多いのではないでしょうか?
とにかく水に弱い素材のため、水を含むと繊維が太くなってしまい編み目が縮まります。これがお洋服に縮みが生じる原因となります。
洗濯はもちろんのこと、雨の日に着る場合も注意が必要です。
シワになりやすい
レーヨンは伸縮性があまりなく、シワになりやすいという弱点もあります。また、一度シワになるとなかなか取れません。
また、水に弱くスチームアイロンを使うこともできないため、シワを伸ばすときにも注意が必要です。
レーヨンのお手入れ方法は?
レーヨンの特徴としても挙げた通り、非常にデリケートで水に弱い素材のため、基本的にレーヨンが使われている素材は自宅での水洗いがNGです。洗いたい時はドライクリーニングに出す必要があります。
しかし、毎回ドライクリーニングに出すというのは費用がかさむので避けたいもの。
ここでは、自宅でもお手入れがしやすい洋服の選び方や、毎回ドライクリーニングに出さなくても済むようなお手入れの工夫をご紹介いたします。
「ウォッシャブルレーヨン」を選ぶ
最近では、他の素材を混紡したり特殊な編み方をすることで、自宅で洗濯できるように作られた「ウォッシャブルレーヨン」も登場しています。
中には手洗いではなく洗濯機で洗えるものや、レーヨン100%の洋服でも水洗いが可能なものもありますので、そんなタイプを活用してみるのもおすすめです。
とはいえ、デリケートな素材ということには変わりありません。洗濯表示をしっかり確認して、それに従って洗濯するようにしましょう。基本的に洗濯ネットを使用して、洗濯機で洗うことが可能な場合でも弱い水流のコースで洗うのがマストです。
できるだけ汚さない工夫を
どうしても自宅で洗濯できないタイプの場合は、できるだけドライクリーニングの頻度を減らせるよう、以下を参考に取り扱うのがおすすめです。
レーヨンを使ったおすすめのアイテム
贅沢に生地を使ってドレープ感たっぷりのマキシワンピは、華やかな一方で素材によってはボリュームが出すぎて着膨れしてしまうのが気になることも。
しかしレーヨン素材であれば落ち感があり広がりすぎないので、ボリュームを気にすることなく取り入れることができます。
”ドレープ感”ってどういう意味?気になる方はこちらも併せてご覧ください!
ギャザー切り替えやフリルなどのデザインが入ったアイテムは、ガーリーな印象が強くなりますが、レーヨン素材のものを取り入れると上品なとろみ感で大人っぽく着こなすことができます。
羽織るだけでコーデにアクセントをプラスしてくれる個性派柄シャツは、レーヨン素材のものを選べば軽くさらっと羽織れます。暑い季節でも涼しく快適にレイヤードコーデを楽しめます。
おわりに
いかがでしたか?
お手入れの難しさからどうしてもデイリーに取り入れづらかったり、敬遠しがちなレーヨン素材。
選び方やお手入れの工夫を押さえつつ、お気に入りのアイテムをぜひ見つけてくださいね。